親や家族、あるいは自身が高齢になったとき、介護が必要になることがあるでしょう。高齢化だけでなく、病気や怪我などで介護が必要になることも考えられます。
そうなった場合に発生するのが、介護費用です。
ただ、介護にかかる費用は、介護サービスの利用料金だけを計算すればいいというわけではありません。
在宅介護を選択した場合はおむつや介護食など、他にも出費がかさむ項目があるからです。
介護サービスを利用するには、市区町村から要介護や要支援の認定を受けなければなりません。
これらの認定には1から5までの認定レベルがあり、数字が大きくなるほど介護を必要とする度合が大きくなります。
そして介護費用も、数字が大きくなるほど高額になる傾向にあります。
実際にかかる月々の費用は平均約5万円ですが、要介護1が約3万円であるのに対し要介護5では約7万円と、認定レベルの上下でおよそ4万円の開きがあります。
在宅介護ではなく、老人ホームなどの高齢者福祉施設を利用した場合は、一気に介護費用が跳ね上がります。
高齢者福祉施設の利用料金は施設によって異なるため一概には言えませんが、少なくとも健康な方が一人暮らしをしたときにかかる費用と同程度は必要になるでしょう。
この金銭的負担は決して軽いものではありません。
しかし、家族が在宅介護で強いられる精神的・肉体的な疲労は取り除くことができます。
介護のあり方は人によって異なり、在宅介護をするか高齢者福祉施設に入居するかで正解が分かれるわけではないのです。
要介護者と家族がともに幸福になれるよう、状況に合った介護を選択する必要があります。
そしてこれらの知識は、介護を受ける時だけでなく介護の仕事をする時にも役立ちます。
このことも踏まえ、介護費用の理解を深めることは有意義であると言えるでしょう。